2019年01月10日

短い恐怖を求めて

昼寝研究所寝言レポート#1754

いつも通り寒さに弱い品種をそっと心の中で育てようと朝の三番目の光と夜の最初の静寂をできるだけ息をしないように右耳に注ぎ込むということを五十六回行わなければならないということを笑わずに人に説明できたらもうどんな寒さにも耐えられる心を得られるってのはどこから本当なのか今日も迷いつつお送りする寝言日記でございます。

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さて、ここ数日『忌録』がスゴいですが、ここまで急激に読まれているのはTwitterの『#今まで読んだ中で一番こわい短編小説』というハッシュタグで挙げられたためかと。

で、他にもいくつものタイトルが並んでいます。
ちょっと、そのうち何作かを読んでみました。

半村良の『箪笥』……挙げている人達は「想像を絶する怖さ」的な紹介をしていて、もうどれだけ恐ろしいのか、と期待して読みました。
が、結論としてわたしにとってはさほど恐ろしいお話ではありませんでした。
まあ、電車の中で読んじゃったもんなあ……
田舎の、お婆ちゃんの方言を交えた独特な語り口。繰り広げられる昔の奇妙な話。

怖いというより、手練れの職人さんによる味わい深いよくできた短編です。

でも、まあ、これからは夜中に一人で箪笥を見るのがちょっとイヤかも。



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そして小川未明の『赤いろうそくと人魚』を青空文庫版で読みました。



人魚が人に憧れ、自分の子供だけでも人間の世界で幸せになってほしいと、地上に赤ん坊を置き去りにして、というお話。
ちょっと悲しいお話ですが、怖くはないんじゃないかな……何か捉え損ねている可能性はあります。
酒井駒子さんの絵本は読みたいです。

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さらに挙げられていた、我等がスティーブン・キングの短編『ジョウント』を読みました。
瞬間移動が実現された世界で、地球から火星へ向かおうという一家のお話。
もうキングですよ。ジョウントの順番を待つ家族や一人で浮世離れした実験を行っている科学者の描写がうまい。
で……普通におもしろいやんけ!



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というわけで、いずれの作品も満足できるものでしたが、少なくともわたしには『怖い』というものではありませんでした。

わたしが読んだ中では……
まあ、単純にビックリするような怖さなら『忌録』の中の『みさき』です。
他に、もう30年ぐらい前の記憶なので、ちょっと怪しいですが筒井康隆の『母子像』がかなり怖かったような……もう、これは中古本を入手するしかないのかな?
でも、いまちょっと調べた限りでは『後味の悪い作品』として挙げられていることの方が多いようです。

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というわけで昨日2019年1月9日の自作Kindle有料版ダウンロード数は3冊。無料版が9冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2232ページ。ありがとうございました。

まだちょっと咳が出ていますが……まあ、もう治ったということでいいんじゃないかなあ。週末に向けて頑張ります。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタの化石
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』また一巻からかなあ。
・あらためて『エリア51』に手を出しました! 3巻まで読みました。
・Mリーグマンガの作者の『鉄鳴きの麒麟児』1巻読みました
・おお、いつの間にかKindleで『青い空を、白い雲がかけてった』が!!