2019年04月26日

なかったことにはできない『やがて君になる』7巻

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昼寝研究所寝言レポート#1860

【本の短い紹介のようなもの第26回】

それでは今日も必要以上に薄味でお気に入りの本をご紹介させていただきます。
開始以来ミステリを選んでおりますが、まあ、ネタが尽きるまで。

26日目の本日オススメするのはメフィスト賞が生まれるきっかけとなった京極夏彦先生の名作『姑獲鳥の夏』でございます! ひゃっほー。
いや、これが出た時の衝撃は凄まじかったですよ……
新本格の流れで多くの作家が出てきました。京極さんもその一人かと思いきや、もうその世界が独特すぎて、ああ、こりゃ天才が出ちゃったなと。
さらに、続けて出た『魍魎の匣』と合わせて『本を読む』という行為がこんなにも楽しいのかと、きっと極上の体験を味わうことができるかと。

もう、大抵の密室のパターンには慣れていたわたしも、姑獲鳥の密室トリックにはほっぺたが落ちるほど驚きました。(ビックリしすぎて誤動作を起こすというお洒落な言い方なので誰でも使って良いです)

わたし、それまでミステリに『文章力』はさほど関係ない(トリックがスゴければ、大抵は許される)と思っていたのですが、ここまでスゴい作品を読んでしまうと、もうそりゃうまいに越したことはないと、ようやく気がつきました。

というわけで、日本のミステリ史と妖怪史に残る作品でございます。

あれ? Kindleで一冊版はないの?
そして、唯一買える電子書籍版の1がこの表紙なの?
それはこの歴史的名作に対するどんなアレなの?
おかしくない?



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さて、昨日の夜中にiPad miniのKindleアプリに降ってきましたよ。
『やがて君になる』の7巻が。

もう、ね……
胸に迫るモノがありすぎます。

わたしは、いままでアニメやマンガで登場した場所をファンが巡る『聖地巡礼』などはあまり理解していなかったのです。
唯一の例外は哲学の道ですか? 確か御手洗さんがあの謎を解いたところ。それもちょっとうろ覚えですが……偶々訪れた時に『おお、ここが』と思いました。

そんなわたしの心に数十年ぶりに特別な場所が。
何度も行った京都駅にそんな場所があることすら知りませんでしたが、今後、あの場所にたってあの骨組みの屋根を見上げる時に、必ず彼女のことを思い出すでしょう。あの後の、同じ言葉を三回繰り返すシーンを。

夜中に自室で泣きながら読んで『通勤電車の中で読まなくてよかった』と思ったのですが、試しに2回目を通勤時に試してみたら、御堂筋線の中で目がうるうるになってやばかったです。

今日は随分と長い間、この作品のことをぼんやりと考えていました。



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さあ、いよいよ連休ですよ。
色々とやらねばならないことがあるので、適当に頑張ります!

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というわけで昨日2019年4月25日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版が0冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1902ページ。ありがとうございました。
……というか、この昨日の既読ページ数、翌日の夜10時ぐらいに見た数字を載せているわけですが、その後で微増することがあります。24日の数字を昨日は1892と書きましたが、いま見たら2058になっているのです。まあ、そういうものです。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

2019年04月25日

それは一体誰?『やがて君になる』

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昼寝研究所寝言レポート#1859

【本の短い紹介のようなもの第25回】

おかげさまで自分以外に何の反響もないこのコーナーもペラペラと25回を迎えました。
本日は極めて新しい作品をご紹介。
三津田信三(みつだ しんぞう)先生の『厭魅の如き憑くもの』(2006年)でございます。
これ「まじもののごときつくもの」と読みます。ATOKでも変換しねえです……
刀城言耶(とうじょう げんや)ものの第一弾。
これ、ホラー寄りの仕事をされていた作者が、ミステリーも書いた、ということなのですが……
いやいや、素晴らしいミステリーでした。
舞台は戦後間もない頃の山奥の集落、神々櫛(かがぐし)村。
神櫛(かみぐし)家と谺呀治(かがち)家という二大勢力の元、人々がひっそりと暮らしていました。怪奇幻想作家の刀城言耶がその地へ訪れた時から惨劇が始まります。

おお、頑張っていつもより3倍は紹介を書きました。本の裏のあらすじを大幅に削ってうろ覚えの内容を追加したので、もしかすると違っているかもしれません。

とにかく、村の名前と家の名前。これだけでこの作品の雰囲気が伝わる一助になればと。
ホラーとミステリーが融合して、とんでもないものが生まれました。過去の名作を踏まえて、さらにその先へ。
このタイトルにちょっとでも惹かれたのなら、読んで損はありませんし、その後に続く刀城言耶シリーズが『凶鳥の如き忌むもの』『首無の如き祟るもの』『山魔の如き嗤うもの』『密室の如き籠るもの』『水魑の如き沈むもの』『生霊の如き重るもの』『幽女の如き怨むもの』『碆霊の如き祀るもの』と盛りだくさん。はい、ほとんど読めませんね。
わたしもどこまで読んだか覚えておらんのです……
Kindleで集めるか〜でも、漢字を全部表示できるのかな?



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さて、もうすぐ新刊が出るということで仲谷鳰(なかたに にお)先生『やがて君になる』を1巻から6巻まで読みました。
内容を忘れていたので、また最初から読んだわけですが……
これ、どんな作品かというと……
主人公の高校一年生、小糸侑(こいと ゆう)は『人を好きになる』という感覚を知らずにいたわけです。で、高校二年生の七海燈子(ななみ とうこ)さんと出会い、妙な付き合いが始まるわけです。

何が妙かって、燈子さんは「相手が自分のことを好きにはならない」という状況で、安心して相手のことを好きになることができるというこのコジラセ感。
二人は付き合っているのに、次第にその関係が捻れていく様が、目が離せません。

途中で入る劇が凝ってて、作者はこれをやりたかったのかと。

さあ、6巻の終わりでついに決定的な一言が。
どうなる7巻?

ということで、あと45分ぐらいで発売日になり、7巻がKindleに飛び込んでくるというこの恐ろしい桃源郷
楽しみです。



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というわけで昨日2019年4月24日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版が1冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1892ページ。ありがとうございました。

休み前ですが、仕事がアレもコレも終わってないです……
まあ、いいか。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。


2019年04月24日

奇想の威力を思い知る『煙の殺意』

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昼寝研究所寝言レポート#1858

【本の短い紹介のようなもの第24回】

さあ、本日も張り切って薄っぺらい紹介をします。
二度目登場の泡坂妻夫先生。シリーズものではない短編で一つ。
短編集『煙の殺意』(1980年)の中の表題作をオススメいたします。

奇術師でもある泡坂先生はトリックにこだわった傑作をいくつも生み出しましたが、この『煙の殺意』ではチェスタトンのとある名作を思い出させる奇想が炸裂しております。
ありふれた殺人事件から導き出される意外な真相。
ミステリならではのとんでもない理屈の飛躍を楽しめる作品です。

この短編集、他にも良い作品が詰まっていると思うのですが、詳細は記憶の底の底に沈んでおり、辛うじて赤の追想が好きだったなあという漠然とした思いだけ。



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昨日の日記を書いた後で、色々と読んでいない本を発見してしまいました。
本日はお気楽な作品をご紹介。
TONO先生の『ピンク・ラッシュ』でございます。
アイドルのサナちゃんはカワイイ女の人が大好きで、自分のファンには罵声を浴びせるようなキャラ。でもそれがまた大人気。
そんな彼女の妙な日常を描いた作品です。
美しくもカワイクもない事務所の社長はタコで、ファンの野郎共は何かもふもふしたもので表現されています。
作者があとがきで「女の子だらけのたわいのないコメディ」と書かれていますが、まさにそれ。これならいつまででも読んでいられる〜
やっぱり生きていく上で、こういうものが必要なのですよ。

と思ってこの作者さんの他の著作を調べたら、たくさんありました。これは、ちょっと気になりますよ……



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このところ、朝早くに目が覚めることが多くなって困っています。昼間に眠くてしょうがないのです。
昼間にカフェインを取り過ぎかと思って、珈琲を控えることに。
でも、もしかして、単に年をとって早起きさんになっただけかもなあ(ショックを和らげるためにちょっとカワイク『早起きさん』と表現してみました)

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というわけで昨日2019年4月23日の自作Kindle有料版ダウンロード数は2冊。無料版が1冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2152ページでした。ありがとうございました。

小説を進めるぞ〜!
連休前からちょっと勢いをつけておきたいモノです。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

2019年04月23日

よくある素晴らしいマンガ『きれいなあのこ』

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昼寝研究所寝言レポート#1857

【本の短い紹介のようなもの第23回】

毎度驚くほど薄っぺらい内容でオススメしているのでそろそろ「この人、本当は読んでいない本を紹介しているのでは?」と勘ぐる人もいるかもしれませんが、そんなことはどうだって良いのです。とにかく読んで損のない本を今宵も一冊。

西澤保彦先生の『七回死んだ男』(1996年)でございます。
すごい昔だな……ほぼリアルタイムで読んでました。
もうこの日記で何度かこのタイトルを出していますが、まだ七回には至っていないかと。

時間ループものの先駆的作品……かな? あの作品とどっちが早いんかな……と思ったらあちらの方が1年早いのか。それもいつか紹介したいけど、あまりに内容を忘れていて、どうにもこうにも……

七回死んだ男。このタイトルが素晴らしい。
どのようなお話か、軽く紹介してみましょう。

殺されてしまった祖父を救うために、久太郎少年は何度もその日に挑み続ける。

はい、以上です。
気軽に読める、ライトなお話です。思わずニヤけてしまうような仕掛けを楽しんでください。
この作品、いまでは色々なネタの元になっているかと思います。
わたしの『サマータイムリバース』も、ネタは異なりますが、この作品に挑戦したものです。(あまりに及ばないので、そのチャレンジを誰にも知られずに消え去っていくものでもあります)

こんな作品が20年以上前に出ていて、それよりもっと前に「死者が蘇る奇怪な現象が発生する」中での殺人を描いた山口雅也先生の『生ける屍の死』があるわけですよ。以前にも書きましたが、ミステリはとっくにスゴいのです。



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以前に紹介したような気もする吉田丸悠(よしだまる ゆう)先生の『きれいなあのこ』(2014年 新書館)という作品を読みました。短編集です。
紹介したと言いつつ、内容をすっかり忘れていたのですが、覚えのあるコマもあるので、やっぱり再読だよなあ……
だとすると、わたし、以前にこの作品をちゃんと読めていたのかと。だって、こんな印象深い短編集を忘れているなんて、あり得ない……ことではない。ヒント:加齢。
しょうがないので『サクラエディター』でフォルダ全体をGrepして『きれいなあのこ』という文字を検索。
おお、2015年の9月に言及しているけど、これ『ひらり』の無料マガジンに表題作の『きれいなあのこ』だけが掲載されていたんですね。これを読んだだけかなあ。

……やばい。この無料版、いま見るととんでもなく豪華だな……それを知らずに手を出して、まんまと引き込まれて幸せに。

で、コミックスの『きれいなあのこ』ですが『平成絶体領域委員会』というアイドルユニットJC&JKによるユニットのメンバーについての連作短編集なのですよ……途中まで読んで、突然そのことに気がついて慌てて何話か見直しました。うおお、すごい。

『きれいなあのこ』の谷本さん。いいなあ……このこがあのこですかね?

若さのひたむきさや残酷さや優しさや間違いや仲直りが楽しく詰まった作品。
オススメです。



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というわけで昨日2019年4月22日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版が0冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2343ページ。おお。ありがとうございました。

今日は電車の中でGPD Pocketが大活躍でした。アレもコレもちょっと進んだぞ〜

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。