2019年04月18日

消えない足跡『吸血の家』

昼寝研究所寝言レポート#1852

【本の短い紹介のようなもの第18回】

霧状になって薄れていく記憶の中を漂いながら何かあの辺りだけちょっと密度が濃いなというところの様子を適当にお伝えするコーナーであります。

さて18回は日本の密室職人二階堂黎人先生の『吸血の家』でございます。
足跡トリックの白眉。ただ、これを読む前にディクスン・カーの『テニスコートの殺人』という作品を読んでおくと、楽しみも倍増かと。
テニスコートの殺人は、わたしが2番目に読んだカーの作品。雨上がりのテニスコートの真ん中に絞殺死体。足跡は被害者のものと、第一発見者の女性のものだけ。
当然のように彼女に容疑がかかります……

という魅力的な謎と、なんじゃそりゃ〜珍妙なトリックで一気にこの作家のことが好きになったのを覚えています。

で、二階堂先生の『吸血の家』でも似たようなシチュエーションで事件が発生します。
もちろん、カー好きの二階堂先生なので『テニスコートの殺人』を踏まえた上で読者に挑んでいるわけですよ。

で、その真相が素晴らしいの一言。そうか、こんな手があったか。
いやあ、このトリックはカーに教えてあげたいです。

というわけで、忘れがたい一作ですが……なんと、もはや入手困難に。


テニスコートの殺人の方が容易に手に入るという……こちらは大抵のことは笑い飛ばせる人にオススメです。
しかも、新訳。これを訳すんだったら、ブラウン神父を頼みます……



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はい、買ってしまいました。
『かげきしょうじょ!! シーズンゼロ』を。
本を減らそうとしているのに……

描き下ろしのおまけマンガと、宝塚のトップスターだった凰稀かなめさんに作者の斉木久美子先生がインタビューしている記事が巻末に載っています。これだけでもかなりの価値があるかと。



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そして、いま新しいマンガを読んでいます。
Kindleで1巻から3巻まで無料って……そりゃ読んでしまうだろ! そして、続きが気になってしまうだろ! まあ、3巻まで読んだら考えます。

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最近、この日記って本のことしか書いてないぞ……
他に興味のあることってないんですか?

さよならポニーテールがレコードを次々に出しています。
欲しいけど……レコードプレーヤーも持っているけど……
いまさらレコード買わないよ!




あ、どこかにサイン入りのCAPSULEのマキシシングル的なものがあるはずだけど……ぴあで当たったのが10年以上前。一度も針を落としていません……
……それにしてもどこへいったのやら。

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というわけで昨日2019年4月17日の自作Kindle有料版ダウンロード数は3冊。無料版が1冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は680ページ。ありがとうございました。

ついに『チョコレートの天使』が【SF・ホラー・ファンタジー】の100位以下に……まあ、素人の書いたあんな長くてまとまりのない小説にしては頑張りましたよ。問題はそれに続くものがないということ。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。
posted by Red56 at 23:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年04月17日

美しい部品で織られたミステリ『戻り川心中』

昼寝研究所寝言レポート#1851

【本の短い紹介のようなもの第17回】

こんなに続けたからそろそろネタが無くなってきたと思って顔を上げるとまだ17回という現実に意識失いかけつつおもしろい本をご紹介するコーナーです。

第17回でご紹介するのはとても美しい作品。連城三紀彦先生の短編集『戻り川心中』でございます。
中身を知っている人であれば、国産ミステリの最高峰に位置する作品であることに異論はないかと思いますが、知らない人にとっては直木賞作家の恋愛小説じゃないの? という印象かもしれません。
確かに、そういった面はあります。
しかし、ここにあるのはそれだけではないのです。
ミステリであるための残酷な仕掛け。そこに浮かび上がる歪な人工の風景の美しさと悲しさ。

ミステリって何が面白いの?
なんていう乱暴な質問には黙ってこれを渡してあげてもいいんじゃないですかね。



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ちょっとモヤモヤした時には『かげきしょうじょ!!』を読むと心が落ち着くことが判明。
このマンガ、いつ読んでも幸せな気持ちになれます。
それは、一挙手一投足が人を惹きつけるような輝く個性を持つ渡辺さらさのような人だけではなく、そんな才能には勝てないと思いつつも必死に努力をしていく人の姿を描いているからだと思いますと、言葉にしてみたらえらく陳腐で全部消そうかと思いましたが、だってそうなんだもんと加齢には勝てないと思いつつ言ってみました。

そう言えば、シーズンゼロの紙版を、わたしは買うべきなんでしょうか……
それを買ったら、いまの本編も紙で買ってしまうのではないでしょうか……

Kindle版は持っているのですよ。
復刊したシーズンゼロは紙のみ。そして、1冊にまとめられています。
少しだけ加筆があるとの情報も……



うわー、7巻はやっぱり涙なしには読めない……

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というわけで昨日2019年4月16日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版が7冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1007ページ。ありがとうございました。

さあ、今週はちょっと睡眠時間を早めにとっているのです。肩が痛くて夜明け頃に目が覚めてしまうことがあるので。服の上からカイロを貼っておくと、かなり快適のようです。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

2019年04月16日

天才の技『黒後家蜘蛛の会』

昼寝研究所寝言レポート#1850

【本の短い紹介のようなもの第16回】

最近の事さえ覚えていない心も頭もガランドウの男が鈍い音を響かせながら過去に読んだかもしれない本を適当にオススメするコーナーです。
16回目はついにこのお方。
優れたSF作家、ミステリ作家であり、生化学者として科学エッセイも記し、ジュブナイルやシェイクスピアの研究所なども合わせると、著作の数は500冊以上になるというとんでもない作家アイザック・アシモフ
メンサの会員でもあり、あの『ロボット三原則』を生み出した正真正銘の天才ですよ。

あまりによくできているので、Wikiにも載っていたロボット三原則をご紹介。

第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない
*『われはロボット』 小尾芙佐訳、早川書房〈ハヤカワ文庫〉より


これ、見ての通り、すごい縛りとなります。
で、すぐにミステリに結びつきそうじゃないですか!
当然、アシモフ自身がそういったものも書いています。

まあ、今日はSFは置いておくとして、純粋なミステリとしての代表作『黒後家蜘蛛の会』(くろごけくものかい)をオススメしたいと思います。

これ、全五巻の短編集なのですが、もう縦横無尽に博識ぶりを発揮しております。
この黒後家蜘蛛の会(ブラック・ウィドワーズ)のメンバーは月に一度集まり、晩餐会を開くことにしています。給仕も毎回ヘンリーという男に頼んでいます。
主要なメンバーは「特許弁護士・暗号専門家・作家・有機化学者・画家・数学者」といった錚々たる顔ぶれ。
その中の一人はゲストを連れてくるという決まりになっており、ゲストが話すちょっとした謎をみんなで考える、というのがこのお話の骨子となっております。
それぞれが優れた頭脳の持ち主ですから、様々な推論が飛び交います。
皆の話が出尽くしたその後で、議論を最後にまとめるのはいつも決まって給仕のヘンリーなのです。

いやあ、本当にすごい。
ちょっと強引なアレもありますが、このお約束の流れをニヤニヤしながら読んでしまいます。惚れ惚れするような名作もたくさんあります。

さらに恐るべきはこの本の訳者、池 央耿(いけ ひろあき)氏です。アシモフはリメリック(滑稽五行詩、五行戯詩とも呼ばれる謎の短い詩)も好きで、作中によく出てくるのですが、それをなんとか日本語にしているのです。もはや、これも奇跡。

知識を刺激される楽しい短編集。天才の繰り広げる世界に酔いしれることができます。

あ、いま見たらまた『新版』が出てる……
しかし、収録作品は過去の本と同じようです。
これ、全五巻と言いつつ、未収録の作品が多数あるのです。『最後の事件』も存在するらしいのですが、日本では文庫になっていないのです。なんとかしてくれ〜

あ、紙の本しかないです。



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次第に本の紹介コーナーがメインになりつつあるな……
まあ、いいや。

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そう言えば、『推し〜』のグッズが会社から歩いて10分のところで買えるということが判明してしまったので、どんなものか目視指さし確認するために昨日の昼休みにGraffArtという店に行ってきました。
雑居ビルの3F。エレベータでのみたどり着けるようです。
店内は狭く、お客さんも数人いますが、とても静か。
まったく知らないマンガあるいはアニメのさまざまなグッズが並んでいます。それらを見ているだけでちょっと楽しいです。
そして『推し〜』グッズもその一角にありました。
うわー、モバイルバッテリーいいなあ。謎のデカスマキャラスタンド(もう用途がわからない名前)も欲しい……しかし、これにこの金額を払っていいのか。いや、Cham JamのCDを何枚も買うことを考えたら、かなり安いはず……いや、CDなんか実在しないんだっけ。
しばらく迷いましたが、とりあえず実物を見て指させたということで引き上げました。危なかったぜ〜

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というわけで昨日2019年4月15日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版が1冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1005ページ。ありがとうございました。

noteは小説を出さないと、ビューが伸びないようです。
とりあえず、Kindle無料版は残すところ『時の影』だけ。
アレを出していいものか……ちょっと考え中です。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。
posted by Red56 at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2019年04月15日

奇想天外のお手本『密室の行者』

昼寝研究所寝言レポート#1849

【本の短い紹介のようなもの第15回】

はい、昔読んで面白いと思った本に関する蜃気楼のように不確かな記憶をギュッと濃縮するのも面倒なので適当にかいつまんでさらに希釈してオススメするのも心苦しいので適当にお茶を濁すコーナーです。

わたしの好きなミステリは『不可能犯罪モノ』です。つまり『どうやって犯行が成されたのかさえわからない』という事件を扱ったモノ。
その代表格が『密室モノ』です。
鍵のかかった部屋の中に横たわる他殺死体。一体犯人はどこへ消えたのか? というヤツ。
『最初の推理小説』と言われているエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』(1841年)も、ちょっとした密室でした。
でも、ちょっと考えればわかりますが、こんな制約、最初から無理難題なわけです。
何らかのトリックを用いるといったって、そんなにたくさんの方法はないでしょう。

それが無理ゲーであることを承知で、ミステリ作家は昔からこの謎を絶えず作りだしてきました。
その中には、本当に素晴らしい独創性に溢れたモノもたくさんあります。

というわけで、本日のオススメは短編密室ミステリの名作『密室の行者』でございます。
作者はロナルド・アーバスノット・ノックスでございます。長編では陸橋殺人事件が有名かと思います。持っていたはずですが読んだことありません。

この密室の行者、完全に閉ざされた部屋の中で、たくさんの食料に囲まれたまま餓死していた億万長者の話です。
いや、なかなか強烈な謎ですよね。
そして、トリックのわかりやすさ。説明されれば、なるほどと一瞬で理解できる。これ、非常に大事です。

ちなみに、行者は『ぎょうじゃ』と読みます。『ぎょうしゃ』ではありません。『行者にんにく』のギョウジャであると覚えておくといいかもしれません。ギョウジャの王将と覚えてもいいかもしれません。

この作品が収録されているのは創元推理文庫の江戸川乱歩編『世界短編傑作集3』です。
特にこの3巻が不可能犯罪が多くて、と目次を見てみたら、この作品以外完全に内容を忘れていることに気がついてしまいました。やったー、これでまたこの刺激的な短編集が楽しめるぞ、と思ったのも束の間。ちょっと読んでみたら、1974年の36版(スピン付き)だからか紙が変色して活字が読みにくいのです。ただでさえローガンなのに。

古い本だけど、いまも売っているのかな、と思ったらなんと【新版】が出ているのです。
さすが東京創元社!
と思ったら……なんじゃ?
何故か収録作品が入れ替えられています。
わたしの持っている古い世界短編傑作集3の10編のうち3編が他の作品になっています。
『密室の行者』が消えています……

探したら、何故か4巻に収録されていました……この入れ替えになんの意味があるの?

あ、どうやら『発表年代順』に入れ替えをしたようです。
なるほど……それ、必要かなあ。
でも、新版に収められている他の短編の「完全版」が収録されていたり、その経緯について戸川安宣氏の解説が載っていたりするようです。さすが東京創元社! その昔、戸川さんがやっておられた本屋でサイン入り島田荘司全集を入手したのですが、とても丁寧なメールをいただきました。



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あ、やばい。このコーナーが長すぎた。
まあ、いいか。書きたいことを書く日記なので。

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というわけで昨日2019年4月14日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版が16冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1057ページ。ありがとうございました。

今日は右目がずっと痛いです。何故でしょう。わかりません。痛いので寝ます。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。