2020年02月03日
魔法少女の為の理屈『ひとくいマンイーター』
2020年2月3日
昼寝研究所寝言レポート#2141
読み終えました。大澤めぐみ先生の『ひとくいマンイーター』を。
感想をひと言で済ませるなら『傑作でした』です。
蛇足的に、何をおもしろく感じたのかをうっすらと、その魅力をひた隠しつつ説明したいと思います。
……わたしは長年ミステリが好きで、それ以外の小説を読むことはあまりないです。
ミステリの魅力が何なのか……人によって意見は大きく異なるでしょうが、わたしにとっては意外性と、それがもたらす驚きでしょうか。
ミステリって、一応『筋』を通しますよね。あれがこうだから、それはこうなります。と探偵がいかにも論理的であるかのように説明して、読者がふんふんその通りなんてうっかり頷いていると、いつの間にかとんでもない結論にたどり着いてあらびっくり。てきな。
この『ひとくいマンイーター』はミステリではありません。
魔法少女の高校生が、ある存在を追いかけるというような話。
なんですけど……
あの、こう、説明されてますよね。こういうことが起こりますと。
なので、こういうふうになりましたと。
ああ、やられた……
まさに不意打ち。
これ、大澤先生のデビュー作である『おにぎりスタッバー』の次に発表された作品ですが、『おにぎりスタッバー』の前日譚なのです。
それだけでもちょっと混乱しそうですが、まあ、なんというか……
作者の意図をすべて消化するというのは無理だと思うのですが……
事象に対する、気がつかなくても構わないけど気付くでしょでもそこを肩透かしされて切ないてきなレッドヘリング(名前だ)。
うーむ。感想やら内容の説明が難しいので、気に入った表現をいくつか。
屋上の扉を開けるときの描写や、『長い栗色の髪をした美しい少女は、なにものにも囚われないの。』という呪文のような言葉や『地獄の尖兵たる魔法少女』『まるで氷河期のような、長い十秒の沈黙だった。』とかですよ。こういった美しいフレーズによって構築された、当然のようにやや歪んだ世界。
ミステリ的な仕掛けのアレとか、前作を知っているからのソレとか、終わりの展開の中に僅かにある救いや優しさ。
もう、これは好きな人はすごく好きだろうという、ちょっとどうかと思う当たり前の結論。
ミステリのお約束を覆すトリッキーな『彼女は死んでも治らない』の作者だということが納得できる傑作でした。
はいはい、次の作品を読みますよ〜
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……結局なにかよくわからない上記の文章を書いて本日は力尽きました。
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というわけで昨日2020年2月2日の自作Kindle有料版ダウンロード数は6冊。無料版が3冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2578ページ。ありがとうございました。
もうね、月曜日は何もできない日です。オモシロい小説を読めてよかった。
それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。