2014年12月28日

『猿蟹合戦』とかKindleアーカイブとか

さて、前回のカラマゾフの兄弟は幽霊塔に続いて挫折した回でした。

今回はその辺りも考慮されてか、あっさり五分で読了するものが課題図書に。

まあ、猿蟹合戦です。
虐げられていた庶民の好きな勧善懲悪の世界。
いまだって虐げられていますから、テレビのドラマだってこういうのは受けます。仕事人とか。
もしかすると虐げられるのが好きなのでは、という勘ぐりもしたくなるところですが、それは置いておいて、どのような内容かと申しますと……

この本においては芝居の猿蟹合戦を本にしたということなのか、何故か蟹は単なるお面で、体は完全に人間です。
柿の種とおにぎりを交換する場面では、蟹は着流しで縁側に座ってちょっと粋な感じすらあります。
読了したといえども、正直なところ文字が読めません……
蟹は死んだの? ただの喧嘩なの?
この辺り、親蟹を子蟹が敵を討つパターンもありますが、この作品では……よくわからない……

加勢に来たのは臼と蜂とたまご。
たまご? 普通は栗じゃなかったですか?
初めてのパターンです。
で、あっという間に猿は臼に押し潰されてめでたしめでたし。

……まあ、そういう乱暴な話ですよ。
話の変遷、その意味などについてはWikipedia先生にあたってください。
たまごバージョンは130年ばかり前の教科書にも載っていたようなので、その頃はメジャーな展開だったようで

続いて、作者の堤吉兵衛さんについて……と思ったら、検索結果でこの人の略歴を示すものが見当たらないぞ。
最後のページに寄れば、この人、この本の作者であり、印刷人であり、発行人であるようです。
今回のような「お伽噺」シリーズを自らの筆で書く以外にも、浮世絵の画集(?)を出版しているようです。

今回のこの「猿蟹合戦」は「Kindleアーカイブ」として公開されているものの一冊。
作品一覧はこのページから見ることができます。

上記ページによればKindleアーカイブとは
「国立国会図書館(NDL)が所蔵し近代デジタルライブラリー上で公開しているパブリックドメインの古書をKindle版として販売。NDL所蔵古書ならではの貴重かつ入手困難、文化的な価値の高い歴史的書物を、Kindle本ならではの機能や読みやすさでお楽しみください。」
という趣旨のもの。現時点(2014/12/28)で1143件です。
数々の貴重な出版物が有償無償で公開されております。
有償と言っても、一番安いのは100円。高いのも100円。
素晴らしい!
無償のものもたくさんあります。
これが文化です。

国会図書館なんて東京にあるし、関係ないと思っていましたが、こうしてネットという文明の利器ができたことにより、いままで大切に集められていた資料がご家庭で簡単に閲覧可能に!
すごいことです。

というわけで、これらの貴重な資料をお楽しみ下さい。

あ、堤吉兵衛の本、全て無料だと思ったら、結構有料版だ。うっかり桃太郎を買ってしまった……



桃太郎一代記(有料)


はなさかぢゝい(有料)


お伽噺シリーズ一覧はこちらで。
堤吉兵衛の本一覧

posted by Red56 at 12:01| Comment(0) | Kindle岳
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]