2018年12月21日

多彩な物語の愉悦『冬の終わり、青の匂い』

昼寝研究所寝言レポート#1733

いつも通り放たれた言葉が意味を成すまでのほんの短い間であっても枝から離れた葉は地表に近づき季節はさっきより冬の色に染まり月は漆黒の夜空を少しだけ移動するのだからその言葉が次にどんな悲しみを引き起こそうともう取り返しはつかないのだということをあと何度繰り返せば僕は学習できるんだろうと思いつつお送りする寝言日記でございます。

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というわけで、新しい小説を読み始めたわけですが……
その米澤穂信先生の代表作である(多分)短編集『満願』です。
いま日本でミステリを語るなら欠くことができない重要な作家。多分。
そして、史上初のミステリーランキング3冠の作品!

今までにこの作家の本は……
あれ? なんか1冊だけ読んだと思うのですが思い出せない。
記憶違いかな?

で、今日から読み始めました。
全六話の短編集。三話まで読み終えましたが……
第一話、第二話と話のうまさに唸らされます。さすがのオモシロさ。
と思ったら……
第三話の『石榴』が……
いや、これもできの良いお話ですよ。
でもね……こう、後味の悪いヤツです。これもイヤミスになるんですかね……
ウマいだけに、こう、ずーんとくるんですよ。お母さんの心境を思うと……
あと、なんでこんな男が……という憤り。

短編集だけに、次にどんな世界がくるのかまったくわからないのです。
ちょっと続きを読むのが辛いです。

まあ、でも読むんでしょうけど……

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さて、そんなこんなで辛い気持ちになったあなたへご紹介するマンガは……
百名 哲(ももな さとる)先生の短編集『冬の終わり、青の匂い』でございます。
初めて読む作家さんで、なぜKindleの中に入っていたのかさえまったくわかりません。
表紙を見ても、ちょっとカタい感じの絵で、まったくわたしの好みではなさそうでした。なので、まったく期待せずに読み始めました。

最初の『ばかねこ』は、また表紙とは全然違うお気楽ヘタウマな感じの絵柄で繰り広げられる人語を解する猫とその飼い主のお話。
この妙な猫のセリフがちょっとヤバくてキワモノ見たさで読み進めてしまうわけですが、途中からこの飼い主と猫の繋がりがうっかり良い感じに。
で、そういう感じなのかと思ったら続く『整備兵』と『サムライ戦隊ブシドーファイブ』でまたまったく異なる世界へ。さらに『接ぎ木』辺りで「ああ、この作家すごい」と素直に賞賛。『人糞』なんて話で心に刺さるなんて狙いが特殊すぎる!
一番好きなのは『桜の頃』そして『聴こえてくる歌』ですけど、まあ、全部好きです

絵柄はやっぱりカタい感じですが、沢さんはとてもとてもステキでした。

今年のベスト3は先日発表したもの(http://red56.sblo.jp/article/185182999.html)で間違いありませんが、この作品も個人的ベスト10に入るお気に入りです。



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というわけで昨日2018年12月20日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版が1冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2163ページ。ありがとうございました。

よっしゃ、とりあえずこの三連休が年末年始の休みの行方を占うことになります。
アレもコレも進めるぞ〜

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタの化石
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』また一巻からかなあ。
・あらためて『エリア51』に手を出しました! 3巻まで読みました。
・Mリーグマンガの作者の『鉄鳴きの麒麟児』1巻読みました
・おお、いつの間にかKindleで『青い空を、白い雲がかけてった』が!!
・『血潜り林檎と金魚鉢男』を読みました。けど、続きがあるんだよな〜


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