2019年04月15日

奇想天外のお手本『密室の行者』

昼寝研究所寝言レポート#1849

【本の短い紹介のようなもの第15回】

はい、昔読んで面白いと思った本に関する蜃気楼のように不確かな記憶をギュッと濃縮するのも面倒なので適当にかいつまんでさらに希釈してオススメするのも心苦しいので適当にお茶を濁すコーナーです。

わたしの好きなミステリは『不可能犯罪モノ』です。つまり『どうやって犯行が成されたのかさえわからない』という事件を扱ったモノ。
その代表格が『密室モノ』です。
鍵のかかった部屋の中に横たわる他殺死体。一体犯人はどこへ消えたのか? というヤツ。
『最初の推理小説』と言われているエドガー・アラン・ポー『モルグ街の殺人』(1841年)も、ちょっとした密室でした。
でも、ちょっと考えればわかりますが、こんな制約、最初から無理難題なわけです。
何らかのトリックを用いるといったって、そんなにたくさんの方法はないでしょう。

それが無理ゲーであることを承知で、ミステリ作家は昔からこの謎を絶えず作りだしてきました。
その中には、本当に素晴らしい独創性に溢れたモノもたくさんあります。

というわけで、本日のオススメは短編密室ミステリの名作『密室の行者』でございます。
作者はロナルド・アーバスノット・ノックスでございます。長編では陸橋殺人事件が有名かと思います。持っていたはずですが読んだことありません。

この密室の行者、完全に閉ざされた部屋の中で、たくさんの食料に囲まれたまま餓死していた億万長者の話です。
いや、なかなか強烈な謎ですよね。
そして、トリックのわかりやすさ。説明されれば、なるほどと一瞬で理解できる。これ、非常に大事です。

ちなみに、行者は『ぎょうじゃ』と読みます。『ぎょうしゃ』ではありません。『行者にんにく』のギョウジャであると覚えておくといいかもしれません。ギョウジャの王将と覚えてもいいかもしれません。

この作品が収録されているのは創元推理文庫の江戸川乱歩編『世界短編傑作集3』です。
特にこの3巻が不可能犯罪が多くて、と目次を見てみたら、この作品以外完全に内容を忘れていることに気がついてしまいました。やったー、これでまたこの刺激的な短編集が楽しめるぞ、と思ったのも束の間。ちょっと読んでみたら、1974年の36版(スピン付き)だからか紙が変色して活字が読みにくいのです。ただでさえローガンなのに。

古い本だけど、いまも売っているのかな、と思ったらなんと【新版】が出ているのです。
さすが東京創元社!
と思ったら……なんじゃ?
何故か収録作品が入れ替えられています。
わたしの持っている古い世界短編傑作集3の10編のうち3編が他の作品になっています。
『密室の行者』が消えています……

探したら、何故か4巻に収録されていました……この入れ替えになんの意味があるの?

あ、どうやら『発表年代順』に入れ替えをしたようです。
なるほど……それ、必要かなあ。
でも、新版に収められている他の短編の「完全版」が収録されていたり、その経緯について戸川安宣氏の解説が載っていたりするようです。さすが東京創元社! その昔、戸川さんがやっておられた本屋でサイン入り島田荘司全集を入手したのですが、とても丁寧なメールをいただきました。



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あ、やばい。このコーナーが長すぎた。
まあ、いいか。書きたいことを書く日記なので。

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というわけで昨日2019年4月14日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版が16冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1057ページ。ありがとうございました。

今日は右目がずっと痛いです。何故でしょう。わかりません。痛いので寝ます。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

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