2019年04月30日

何かがおもしろい『かよちゃんの荷物』

昼寝研究所寝言レポート#1864

【本の短い紹介のようなもの第30回】

さあ、いつも通りまずは過去に読んだ小説のオススメコーナー。
第30回にてオススメするのは小野不由美先生の超大作『屍鬼』(1998年)でございます。
これ、サンノゼの紀伊國屋書店で購入した覚えがあります。手元の本を見ると、上巻(2200円)のところに$26.40、下巻(2500円)に$30.00の値札シールが貼ってあります。初版です。なんてことにこだわっているウチはまだまだ紙の本に未練があるという証拠。

帯には「京極夏彦氏激賞!」とあり、『物語が怖い。展開が怖い。キャラクターが怖い。描写が怖い。フレーズが怖い。テーマが怖い。完全無欠。逃げ場なし!』とあります。
その横に大きく三行で『尋常でない 何かが 起こっている―』と書かれています。

わたしは小野先生の十二国記にハマりきれず、数冊読んだものの図南の翼までたどり着けませんでした。なんか『三国志を読了してからでないと、十二国記のオモシロさはわからない』というような考えに捕らわれていたのかもしれません。

で、そこへ出たこの本です。日本の本屋(確か難波の旭屋書店)で新刊の平積みを見かけた時から気になっていました。
講談社X文庫でも十二国記シリーズ以外にホラー寄りの作品を幾つか出していたと記憶していた(未読)ので、そういったところから人気が出て、読者層を広げての挑戦ということになるのかと。しかも書き下ろし3000枚。と帯の背にあります。二段組みで上下合わせて8.5cm。

出張の帰りに読む本として……わざわざアメリカで割高で買ったのかな? ハードカバー上下3000枚を? ちょっとどうかしていたんですかね?

まあ、結論としてはそこまでして入手したところで何の問題もない作品です。なぜならおもしろいから。
これ、タイトルの『屍鬼』ってのが最高ですよ。帯も、すごく気を遣って書かれています。もう、先入観なしで読み始めていただきたいので、いつにも増して内容には触れません。ジャンルがホラーということだけわかっていれば十分楽しめるかと。3000枚の恐ろしさを満喫してください。但し、序盤はちょっとキツいかも。何が起こっているのかよくわからないし、全体的に陰鬱だし……でも、それを乗り越えれば、安心して嫌ーな雰囲気に浸れます。

レビューとか、マンガとか、トリビュートとか見ちゃうと一番核となる部分のネタがあっさり書いてあるので、とにかくそこは目を閉じてスルーして、本書を開くのがよいかと思います。

……あ、Kindle版がない……何故……
文庫本だと全五冊の大作になっております。



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なんか、この日記、小説を紹介して次にマンガを紹介して、以上終わり、というパターンになっているような気がしますが、だからといって何をどうするつもりもありません。

本日オススメのマンガは雁須磨子(かり すまこ)先生の『かよちゃんの荷物』でございます。
30歳一人暮らし、バイトをしながら日々を生きる、鞄は常に大きめで重いかよちゃんの日常を描いた作品です。
女友達もアラサーの独身。いつも集まってはアレコレ話して、別に結論は出ず。
この緩さ。おもしろいです。心地よいです。
こういう、何気ない話を繋げて、大した事件も起きずに、それでも読んでいる人を惹きつけるというテクニックは何なんでしょう。
で、あちこちにちょっと気がつかなかった視点があったりするのです。
かよちゃんが親からの電話に対して「ちゃんとやってるから」と言うのを、友人は「そんなのはちゃんとの末席よ」と指摘するのです。おもしろすぎる……

別にこれといった劇的な展開もなく、淡々と進み、登場人物は色々とクセがあって魅力的ですが、やっぱりそれほどのことは起こらず、ふわっと終わっております。
……なんかちょっと幸せな感じになりますよ。



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というわけで昨日2019年4月29日の自作Kindle有料版ダウンロード数は2冊。無料版も2冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は2883ページ。おお、過去3ヶ月で4番目の記録です。ありがとうございました。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。
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