2017年10月04日

存分に楽しませてもらいました『エレファントトーク』

昼寝研究所寝言レポート#1292

いつも通りいつもより遅くなった帰りの電車の中でGPD Pocketを取り出してチマチマチマと日記を書き始めた途端に乗り換えで御堂筋線天王寺駅のいろんな人がいるホームで頑強な安全柵にもたれながらお送りする寝言日記でございます。

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読み終えました!
藤崎ほつまさんの『エレファントトーク』を!
なにこの安定したうまさ。
とてもおもしろかったです!

すごいなあ。
至る所でリアルな感じを出すのが巧みというか、場面がしっかり動いているというか、文章がしっかりしているというか……

大阪を舞台にしているので、出てくる地名に馴染みがあるとか、天王寺動物園のことも実際に見たことがあるから、という地元お楽しみ要素も確かにありますが、なによりもスマートフォンになった主人公という、およそ馬鹿馬鹿しいシチュエイションをここまで切れ味の良い見事なカタチのお話にする手腕に脱帽です。

正直なところ、主人公は奇異な状況に置かれているという点ではさほどの特徴がないというか、既に色々とあった後の話なので、その状態ではあまり派手な活躍はできないわけです。電源落とされると存在しなくなるし……
その世界に彩りを添えるのが妹の存在。
まあ、こんな展開だったら必ずこの妹を気に入ってしまうわけです。
次々に繋がっていく人との関係。それに伴って不穏な感じが広がっていきます。
が、なんというか、いい人が多い。
事件に絡む妹の友達や、主人公の元カノなど、女性が魅力的でうらやましいです。

連鎖的に起こる事件を追うだけでも十分に楽しいですが、表面の派手な事件が収束した後でのまとめがまたうまい感じ。全体が最初から美しい形に作られていたことがわかって「ああ、良いものを読んだ」と大満足です。
タイトルもステキです。
この物語のカタチは作者の代表作『キミのココロについてボクが知っている二、三の事柄』にも通じるものがあるかも。

文字を並べて言葉をつなげてこんなに楽しめるものを形作ることができるのだと改めて感じることができました。

昨日も書きましたが、小説はすごいな、と。

この作品は過去に書いたモノを修正して出したそうです。豪華な隠し球だな!
藤崎ほつま恐るべし。
まだ世に出ている長編は二作だけ。
もしもご存じなければ、是非この作品からどうぞ。



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というわけで昨日2017年10月3日の自作Kindle本有料版ダウンロード数は0冊。無料版が1冊。
既読ページ数は664ページでした。ありがとうございました。

眠い……寝て良いですか?
明日は頑張るから……

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

あ、なんか五回限定で小説の連載しているんだっけ。
でも、よく見たら原稿用紙100枚ぐらいあるっぽいです。
五回でお見せできるのはごく一部ですが、その回数で80%ぐらいはおもしろさが伝わりきるのではないかと。残念ながら。

『螺旋エイプリル』第2回
偶然ですが、僕の家の近くの商店街に『スナック螺旋』という黒い看板と『ベーカリーエイプリル』という赤い看板が並んでいます。どちらもかなりくたびれています。スナック螺旋が営業しているのを見たことがありません。こういういかがわしいお店は夜にやっているのでしょうから、それはしょうがないでしょう。僕は学校へ行くときにこの商店街を抜けるのですが、看板を見るたびにこのお店がどういうものなのか想像しています。もう一方のベーカリーエイプリルの方はただのパン屋であり、特に妄想を駆り立てるような存在ではありません。メロンパンにクリームが入っているのが好きなのですが、妹は甘すぎるなんていいます。おっと、話が大きくそれてしまいました。とにかく、本のタイトルに僕が毎朝見ている看板の『螺旋』の文字と『エイプリル』の文字が入っていることに驚きました。ホントに偶然以外の何ものでも何様でもないのです。まったく「春の読書感想文は事実より奇なり」とはまさにこのことかと。昔の人は実にうまいこと言ったものです。さて、自分に課したルールに従い、改行もせずに本の内容をさらに紹介いたします。物語の主人公である女の子は僕と同い年。ちょうど春休みを満喫しているところですが、宿題の読書感想文に苦しんでいます。本の中では架空の書物『螺旋エイプリル』をでっち上げて感想を書いているのですが、適当にタイトルを考えて、そういう本を読んだことにしようと決めたところで内容なんかあるわけがないのです。そこで女の子は作り上げた物語の中でも春休みに出された読書感想文の宿題に困った男の子が螺旋エイプリルという物語をでっちあげているというストーリーにしました。もちろん、男の子がでっち上げた物語というのは、春休みの読書感想文の宿題に困った女の子が螺旋エイプリルという物語を作り上げていて、その女の子の物語の中でも男の子が……という内容です。この辺りのややこしさがこの本のミソでしょう。読んでいるうちに僕の頭は容易に混乱しましたが、本の中の女の子も同様だったようで、それを回避するために賢明な方法を考え出しました。なんとお話に番号をつけることにしたのです。


未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『無限島』下巻読みたいですとか言って上巻を忘れつつあります……
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……
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2017年09月25日

本の雑誌2017年10月号の「辻真先ならこの十冊だ!」

昼寝研究所寝言レポート#1283

さていつも通りゲーミングノートの話を始めようと思いましたがただ迷っている現状をいくら呟いてももうアレかなと思いつつでも実際にアレなんだからしょうがないと開き直りつつお送りする寝言日記でございます。

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『本の雑誌』2017年10月号。
恒例の図書カード3万円お買い物企画でゲストの芳崎せいむ氏がくまざわ書店を選んだという記事も楽しいのですが、「この十冊」シリーズで今月選ばれたのが日本ミステリ界の奇跡辻真先先生です。おお、先生をつけると読みにくい。
というわけで書評家、村上貴史氏による『辻真先の10冊』をとても楽しく読ませていただきました。

最初に上げられていたのはやはり『仮題・中学生殺人事件』です。
わたしにとっても思い出深い作品。
最初の長編がこの『読者が犯人』と宣言して始まるトリッキーな作品だなんて、45年前から一人新本格ミステリ状態。

読んだのは高校生の頃だと記憶しておりますが、朝日ソノラマ文庫だったので、もしかするとキマイラを読んでいた中学生の時かもなあ。
わくわくしながら読み進めて、この奇抜な仕掛けが明かされた時のあの感情を忘れることができません。
世界中のトリック好きに読んでいただきたいユニークな超名作。

ポテトとスーパーのコンビが活躍する中学、高校、受験の三部作を読んだことを覚えておりますが、その後は追いかけてないのです。
まさか2013年まで40年も二人のシリーズが続いていようとは……

それから、印象深いのは『アリスの国の殺人』です。
ミステリ、というかフィクションにできないことはないのだ、という凄まじい衝撃を与えてくれました。
多分、わたしの小説に一番大きな影響を与えたのがこの作品だと、最近になって思うようになりました。
拙著『サマータイムリバース』は是非先生に読んでいただきたい、と思っていたのですが、有栖川先生に大きな穴を二つほど指摘されたので、いまはチマチマと穴を塞いでいます……

あ、辻先生はアニメの脚本も長らく書いておられて、うる星やつら、アラレちゃん、ゲゲゲの鬼太郎(第1期)などに関わっておられます。
あと、Wikipediaによればサザエさん第一回も辻先生と書いてあったので、Youtubeで探したら第一回の第一話『75点の天才』が脚本 辻真先とありました。
日本のアニメ界とミステリ界を支えてきたと言っても過言ではないかと。

そして、twitterをフォローさせてもらっていますが、いまでも新しいマンガ、アニメ、ミステリのチェックを日々欠かさないというその姿勢にはもう脱帽です。

ミステリ史に残るトリック。Kindle Unlimited対象になってます!


Kindle化されている作品もそれなりにありますが、著作の多さに比べるとまだまだ……
そしてあろうことか『アリスの国の殺人』が絶版に……
まあ、東京創元社さんがなんとかしてくれると信じてますよ!

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はい、ということで、昨日2017年9月24日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版は3冊でした。
既読ページ数は343ページ。ありがとうございました。

さあ、チマチマ直すぞ!

本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

『スペースシップラプソディ(仮)』第26回
「思ったより小さいけど、なんか形が違う。下がずんぐりむっくり」と日菜子が言うので俺は小さくうなずいて説明する。
「やや古いタイプのレーザー推進機関だから、ロケット本体にも燃料を少し積んでいる。そのために下半身がちょっと大きいんだ。あのスカートの内側が鏡状になっていて、発射台から照射されるレーザーで空気をプラズマ化させて上昇力とする。最近のエンジンはもっとその辺りのエネルギー効率が良くなっているから、全体的に小型化されている。でも、俺はこの頃の派手な音と閃光を発して空へ飛び立っていくタイプが好きなんだ。かつてロケットは危険な水素燃料を大量に抱えて飛ばざるを得なかった。子供の頃に古い映画で見たその姿がロケット好きになったきっかけだから」
 あ、やばい。本物を前にしたせいで喋りすぎている。日頃あまり人にこんな話をしないものだから、程度がわからない。
「へえ、噂に聞いてたけど、航君ってかなりのロケット好きなんだね」
「え、いや、まあ、少し」
 俺は窓から体を離して座席に普通に座る。このままでは前で遠足ごっこをしている三尾達よりも自分が滑稽な気がしたからだ。あまり『普通』から遠ざからないように自覚する必要はあるだろう。
 前の座席の背中を見る。古い型のバスだ。目の高さに古いプラスティックの手すり。その下に折りたたみテーブル。その下に何かを入れるための網。これもなかなか味わい深いものがある。


未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『無限島』下巻読みたいですとか言って上巻を忘れつつあります……
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……

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2017年09月08日

ハヤカワミステリ50%セールだってさ

昼寝研究所寝言レポート#1266

いつも通り切羽詰まった金曜日をなんとか乗り切って青息吐息のままお送りしたりしなかったりいやそんなことないかいつも通りお届けするんですけどまあそんなこんなでまったく空っぽの前ふりと共にお送りする寝言日記でございます。

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はい、そういうわけでスプラトゥーン2のアップデートで武器が追加されたり、購入後初めてのフェスが開催されたりと賑やかな状態になっていますが、ほとんどやっていません。
手に入れるまでが最大のゲームだったのさ……
という面もありますが、苦労して手に入れたのにゲームがあまりうまくなくてなんじゃこんちくしょー的に血圧が上がってしまうのでもうやめだやめだめだやめやだという状態です。

できれば誰ももうわたしの心の平穏を揺さぶらないでほしい……

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本日大きなニュースが。

きんどうさんのところで気がつきました。
https://kindou.info/87375.html

ハヤカワミステリの海外版258冊が50%オフセール!!!

おお、これは……誰もいない夜道でこっそりと踊り出したくなるようなステキな出来事ですよ!

というわけでめぼしいものがないかチェックします。

……まあ、ホームズは訳が古すぎるでしょうけど、ディック・フランシスが結構な数Kindle化されていることに驚きました。
ほとんど読んだことがないです。この機会に名作の誉れ高い『利腕』を入手しました。



そして『不可能犯罪の帝王』我等がディクスン・カーの作品も、Kindle版が多くなっていました。
しかし、訳が古いものが多いため、なかなか人にオススメするのが難しいです。
名作とはいえ、いきなり『三つの棺』というのもどうかと思います。
百年前のロンドンにタイムスリップした警官が大活躍する『火よ燃えろ』をご紹介しようと思ったらKindle版がないし、紙の本すらプレミア価格。
うーむ……
まあ、フェル博士H.M卿もでてきませんし、50%オフセールでもないし、紙の本で中古しかありませんが『第三の銃弾』をオススメしておきます。



まさか2冊目ですでにハヤカワのセールという趣旨から外れてしまうとは……

はずれたついでにプレミア価格の紙の本『火よ燃えろ』のリンクも乗せてしまうとは……



うーむ、職人ローレンス・ブロックの『八百万の死に様』はもちろん文句なしの傑作ですが、最初にこれを読むのは違うような気がしますし……二見書房から出ていたマット・スカダーシリーズ初期の作品はいまどうなっているのか……
いま見たら、Amazonでは入手困難のようです。
というか、2冊を除いて、二見書房から出ていたんだ……聖なる酒場の挽歌ぐらいまで読みましたが……
この素晴らしいシリーズのうち2作しか読めないのをオススメするのもちょっと……

その代わりと言ってはなんですが、同じ田口俊樹氏の訳で『ブラウン神父の無垢なる事件簿』を。
東京創元社のブラウン神父の訳が古すぎるので、こちらを読もうと思って購入してみました。
しかし、この訳はこれ一冊きりのようです。



さて、エラリークイーンもセールに。まあ、訳は古いですが、わたしが好きな作品である『帝王死す』を。
クイーンでは珍しい密室もの。ワクワクしながら読みました。



おお、『黄色い部屋の秘密』も新訳版が!
これは手に入れておく価値はあるでしょう。
100年前の名作。いきなりここでスゴいトリックが出てしまって、もう密室は終わりかと思われつつ、いまだに細々と書かれ続けているという……
とりあえず買いました。読む予定はありません。



そして、一作しか読んだことがないけど、どうせ名作揃いのこの短編集も買いました。
『アデスタを吹く冷たい風』です。皆さんのレビューを読めばこの機会に欲しくなること請け合い。


というわけで、全部見て、既読のものを中心にオススメしました。

個人的にはエドワード・D・ホックの珍しい長編が三遍ともセールになっているのが嬉しいところ。
きっとそれほどオモシロくはないと思いますが、ホック好きなのでこの機会に入手しておきます。
学生の頃、古本屋で何度も目にして結局買わなかった作品です。

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さて昨日2017年9月7日の自作Kindle本有料版ダウンロード数は0冊。無料版は5冊でした。
既読ページ数は438ページ。ありがとうございました。
『青い月夜の特別なこと』の後半を修正。自作ですが、何度読んでもおもしろい……

というわけで本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

……この下の連載企画、おもしろいですか?
主に自分に対して続きを書くことを促すためにやっておりますが……

『スペースシップラプソディ(仮)』第10回

 完全に動きを封じ込められているのだから、状況としてはほぼ最悪だが、生きている間はせいぜい努力するとしよう。
 ボックスを開ける。中にはポリボトルに入った水と、手軽にカロリーを補給できる市販の固形食が入っていた。どちらも『宇宙用』などというものではなく、地上の店で手軽に買えるものだ。
 俺はモニタを見ながらそれらを手に取った。これらを直ちに食すのを、日菜子が期待しているのかどうか。その動かない表情からは何も読み取れない。まあ、モニタの解像度が低いせいもあるが。
 とりあえず食料を床に置いた。その間に必死に考える。
 さあ、何を話せばいいのか。跪いて命乞いか。
 おそらく最終的に殺されるだろう。
 ここからの駆け引きで、なんとか少しでも事態を好転させたいが……
 とにかく、俺をどうするつもりなのか、率直に聞いてみるか。
 よし、それだ。
 思い切って顔を上げた。
 映像の消えたモニタがあるだけだった。
 体中の力が抜ける。
 俺はベッドに倒れ込んで、意味不明の罵り声を上げた。



未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『無限島』下巻読みたいですとか言って上巻を忘れつつあります……
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……
・『五佰年BOX』読みました


posted by Red56 at 23:11| Comment(0) | Kindle小説の面白いやつ

2017年02月03日

困難の中の真実『ブルー・ヘヴン』

昼寝研究所寝言レポート#1049

さて今宵も桃太郎電鉄でぼろ負けのおっさんがにこやかに腸が煮えくりかえる生き様を晒しつつお送りする寝言日記でございます。

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C.J.ボックスの『ブルー・ヘヴン』を読み終わりました。
いやー、もう夢中で読みました。
おもしろかった!

釣りをするために山を訪れた姉弟は、キャンプ場で殺人事件を目撃してしまいます。
そして、最悪なことに、殺人犯達に姿を見られてしまうのです。
そこから幼い姉妹の命がけの逃走が始まります。

まあ、ずっと逃げているわけではありませんが、それですぐに解決というわけではないところが良くできた話です。
人々の戦いにシビれました。冒険小説の素晴らしさを思い出しました!
色々と良いシーンが満載でしたが『さっきのコーヒーだが、やっぱりもらおうかな』や『車で行くつもりはない』などのワクワク感。
本当によかったです。

完全にオススメです!



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とまあ、相変わらず薄い感想を書いておりますが、無事に金曜日を迎えることができました。
よかったよかった。

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2017年2月2日の自作Kindle本有料版ダウンロード数は3冊。無料版は7冊でした。
既読ページ数は1640ページでした。ありがとうございました!

さて、週末は頑張って二三枚書くぞ〜(ハードルを思い切り下げることによって取り組みを容易にする作戦)

本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・『tell your story』読みました
・『無限島』上巻読みました
・『地底旅行』読みました
posted by Red56 at 22:27| Comment(0) | Kindle小説の面白いやつ