2018年05月17日

とりあえずなんかできそう

昼寝研究所寝言レポート#1517

いつも通り一番遠い星から届いたばかりのモールス信号に対してキデンはミッカゴとイッテイルがトウホウのツゴウがワルイためイツカゴでヨロシクタノムと返信したのでもう安心&安堵しつつお送りする寝言日記でございます。

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じゃじゃーん。
小説をとりあえず最後まで書いたぞー!
ひゃっほー。

しかし、最後のシーンは決めていたけど最後の一行はあんなんでいいんだろうか……

そして、間でまるまる一章飛ばしているので、それをいまから書かねば……

さらにアレやコレや修正したり辻褄を合わせたり大変です。
しかし、ちょっと大きな区切りがついたということで気が抜けてます。

でも、これ、物語自体が完全に蛇足っぽいな……
いまさらですが『月なき夜の幸せなこと』の続きっていうのが無理がありすぎるのです。
まあ、知ってましたけど……
でも、2016年に『月なき夜の幸せなこと』を出した直後に『続編を』というご意見をいただいたのですが、その時に考えたお話のまま書けました。まあ、他にどうしようもなかったからなあ……
うわ、2年前か。

立ち位置としてはエイリアンあるいはオーメンなどをといった感じでしょうか。
……おお、キビシイ。

まあ、いいや。
それなりに満足していますよ。
タイトルは……ほぼ決まっているものの周辺をうろついています。

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でも、冷静に考えたら、ここからひと月はかかるのかなあ……
適当に考えたら……二週間はかかるなあ。
というわけで、その中間ぐらいが妥当かなあと。

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RTDリーグ2017のセミファイナル。
おお、あの人が凄まじい上がりでどえらい嵐が吹き荒れています。
解説の多井隆晴プロと鈴木達也プロが対照的でまた良い感じ。
楽しいなあ……

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というわけで昨日2018年5月16日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版は4冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は495ページでした。ありがとうございました。

さあ、もうしばらく頑張りますか……

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『無限島』下巻読みたいですとか言って上巻を完全に忘れています……
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……
・あらためて『エリア51』に手を出しました!
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2018年05月02日

『夏のストロボあるいは魔法』に新しい感想!

昼寝研究所寝言レポート#1502

いつも通り三行軸受けを支えながら鼻歌を歌うってのが俺の気晴らしかなと思うけどここ二百年ぐらい雨が続いているから回り続けている夢想式回転体の軸受けの中がどうなっているのか気にはなるんだがまあ俺が心配したってどうせこのオートマトンはもう数千年の間動き続けているわけだから心配すべきはむしろ俺の体だろうってことだがもしかしてあんたが俺の代わりになるためにやってきたんじゃないかなんて思っちまったってことは内緒だからさまあとりあえずお茶を濁すためにお送りする寝言日記でございます。

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えー、この前置きというかなんかいつまで続くんでしょう……
きっと皆さんもそうでしょうが、もう飽きた……

明日からまたスタイルを変えて1行で終わらせます。
そうでないと小説が進まない……

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はっ!
昨日紹介しようとして今日に延ばしたマンガが読み切れていません。
なぜなら3巻まで無料だった『ギャングース』をうっかり読み始めてしまったからです。
控えめに言ってこいつも最高なので、16巻で完結という先も見えていることだし、電子書籍で集めるにはよいかも。
雑誌掲載時には読み飛ばしていたハシラの注釈も読むとなかなかの味わい。

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日記は短めにいきます。というのも実は小説を書いているからで、いまちょっと盛り上がっているので、とっとと続きを書きます。

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あ、本日『夏のストロボあるいは魔法』に新しいレビューをいただきました!
ありがとうございました!
色々と具体的に書かれていて、惜しい作品ということも書いて下さっている。いやあ、本当にありがたいことです。
しかし『サマータイムリバース』はミステリー&SFだけど、これは【SF・ホラー・ファンタジー】に入れてないでしょ? と言ってみる……

無料ですが、皆さんが読み終えたあとで一言不満を言いたくなるオハナシのようです。



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というわけで昨日2018年5月1日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版は5冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は863ページ。ありがとうございました。

いよいよ小説は事件の解決が近づいてきています。
あと数日で終わるかなあ……
まあ、そのあとで色々とあちこち直さなきゃなりませんが、とにかく一端最後まで書いてしまえばきっと楽になるに違いにない。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……
・あらためて『エリア51』に手を出しました!
・途絶えたマンガはどうなるの?


私的名作マンガ(Kindleで入手可能なもの)










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2018年03月26日

『青い月夜の特別なこと』がPrime Readingに選ばれました!

昼寝研究所寝言レポート#1465

いつも通り長かった旅の終わりにたどり着いたここが心から安らぐことができる場所なんだってことにようやく気がつくなんてずいぶん遠回りをしてしまったものだもしかするとそれこそが人生ってやつなのかもしれないなんて旅に出たこともなくてルーチンなワーキングから帰ってきて心に空いた108つの穴からやる気がダダ漏れな状態をどうやって塞ごうかと二本しかない腕を見つめて途方に暮れながらお送りする寝言日記でございます。

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さて、本日夕方から拙著『青い月夜の特別なこと』がPrime Readingで取り上げられております! ひゃっほー。



チョコレートの天使』に続いてまさかの2冊目。
これを機にいろんな人に読まれるといいなあ。

で、Prime Reading扱いになっている小説のラインナップが変わるのかなと思ったのですが、いまのところほとんどそのままで追加だけじゃないですか?
少なくとも『チョコレートの天使』はまだ並んでいるようですが、そのうちに入れ替わって消えていくのかな? よくわかりません。

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そして、あのヤマダマコトさんの『山彦』と『金色天化』が選ばれているという……
よっしゃ! これで間違いなく『あれ? Prime Readingで読んだけど、プロじゃない人が書いた小説なのに、レベル高くない?』と思う人が続出するに違いありません。
そのうち何人かがうっかり赤井五郎の作品を手に取るかもしれません! そして二度と手を出さなくなるかもしれません!

『青い月夜の〜』はPrime Readingに並ぶ直前の順位が【SF・ホラー・ファンタジー】の196位でした。まあ、こんなものです。
これが、夕方にPrime Readingに並んだので、夜、帰るときにドキドキしながら順位を確認したらば……おお、208位!
サガットル・ヤンケー!
思わず氷の柱が大地から屹立する必殺技ふう(そうか?)に力強く呟いてしまいました。
まあ、まだそんなものでしょうか……

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『チョコレートの天使』はとにかく長すぎて、とても気軽には読めないお話でしたが、この『青い月夜の特別なこと』ならばあっと言う間に最後までたどり着きます。
おもしろくなくても無駄にした時間が短くて済むため、作者に対する呪詛の言葉も踊りも比較的短いもので事足ります。いずれも激しく体力を消耗するので、読者の身になった小説と言えるのではないでしょうか。
また、一読してダメだこりゃ、と思った人は是非ヤマダマコトさんの作品でお口直しを。
わたしの一押しは『金色天化』でございます。



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それにしても、ネットでいくら検索してもPrime Readingに新しい本が並んだことが話題になっていません。
なるほど、ひっそりと誰にも気付かれないようにすることで売り上げの増加を図る例の作戦ですね。

……聞いたことないよ!

文字を入力してのノリツッコミという精神的な苦痛を選んでしまうほどの極秘ニュース扱いという理不尽。
少なくともPrime Readingのトップページでちょっとぐらいは取り上げるべきじゃないですか? ごくごく短い紹介でもいいんですよ。『あなたのKindleが、ホンのちょっとの工夫で完璧な状態に。そう、赤井五郎の小説をダウンロードすればね(Amazonニヤリ)』とかなんとか控えめな感じでもいいんです。

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さて、こんな駄文を書いているうちにランキングを再チェック……
青い月夜の特別なこと』が69位に上がってきました!
その続編『月なき夜の幸せなこと』が78位。続けて読んでいただけているのかも。いいね!(勝手に自分の好き勝手な意見に自分で賛同する乱暴でどちらかと言えば反感を買いがちな技)

そして『チョコレートの天使』が24位。
何故か『サマータイムリバース』が40位。Prime Readingより上か〜!
タイムマシンを教えるために』が95位。

ちなみに『金色天化』が16位で、その続編『天化爛漫』が19位……よっしゃ、これでうっかり赤井五郎の作品に手を出す人を『うっかり五郎』と呼ぶことが定着するかもしれないぞ!

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というわけで昨日2018年3月25日の自作Kindle有料版ダウンロード数は1冊。無料版は2冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は1227ページでした。ありがとうございました。

このPrime Readingがあるから、第3弾を早く完成させねば、と思っていたのですが、泣く子と地頭には勝てません。あ、やばいやばい。どっちも身近にいなかった。ちょっと勘違いしていました。
新作は今日もちょろちょろっとだけ進みました。
明日も地頭や泣く子を探すついでなので、あまり進まないかもしれません。

それは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……
・あらためて『エリア51』に手を出しました!


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2018年02月20日

ネタが無いときは自分の小説掲載『秘密の友達』

昼寝研究所寝言レポート#1431

いつも通り一つ心に引っかかっていたことを終えたので車検&確定申告に続いてもうやるべきことはすべてやってしかもちゃんと終えることができた嬉しさに身も心も油断しまくって半ば溶けかかった状態になって階段なんか液状のスリンキーかしらと錯覚するほどの滑らかさででもオノマトペがネチョネチョしているのは思った以上に脂分が多いせいなのかという気もするのですがまあでも階段がピカピカになるというのはルンバにもサンバにもできない離れ業なのではと一攫千金の匂いにネチョネチョ震えながらお送りする寝言日記でございます。

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というわけで、ネタが無いときは前置きが長いのかしらんと思わないでもないのですが、それも気のせいかな。

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本日は別にネタがないワケではない(すぐわかる明らかな虚言)のですが、自分の短編集から一つお送りしたいと思います。
ええっと……あれ? 『秋の来る頃』を出そうとしたけど、出したかどうか忘れている……まあ、年だからしょうがない。

なので、別の話。
『秘密の友達』というオハナシ。
まあ、特に言うこともありません。
おもしろい話です。
例によってでんでんマークダウンのままでお送りします。Kindle本を出すのにでんでんコンバーターを使いたい人は参考にしてください。

#秘密の友達
 
 
「目が一つで鼻がなくて鋭い牙を持ってて空を飛ぶものなーんだ」
 コンパの席で賢治の台詞を聞いた時、思わず奴の顔を見た。
「答えはお化けでしたーっ」
 大きな声の後に女の子達の笑い声が響く。馬鹿馬鹿しい。その前には上が洪水、下が大火事で答えはお風呂。子供の頃のくだらないことをいつまでも覚えていて、そんなネタで回りは大受けになる。結構なことだ。
 呆れた俺は何もない天井を見上げる。ため息を一つついて乱暴にビールを飲みほした。
 やはりこんなところに来るのではなかった。
 
 数日後。賢治が俺のアパートに電話をかけてきた。
 今から寄ってもいいかと訊ねるので、勝手にしろ、ただし相手はしないぞと答えると、両手に酒とつまみをぶら下げ、のこのこやって来やがった。
 酒はやめたんだと俺が言うと「ご冗談でしょう」と勝手に上がり込んで座り込み、ビールの缶を放ってきた。
 放物線を描いて胸元に飛んできたそいつを、思い切り振って投げ返すと、さすがにショックを受けたようだ。
「なんだよ、この前のコンパではすごく飲んでただろ」
「あれ以来やめた」
 そう答えると、ははーんと間の抜けた声を出しながら訳知り顔でうなずいたのでちょっと腹が立つ。無視して俺は本を読み続ける。
 一人でビールを飲み終えた賢治が、いきなり「妖精が見たいんだけど」と切り出してきた。
 思わず失笑する。
「もう泥酔してんのか」
 しかし奴は「そりゃこの前のお前さんだ」と首を振る。
 まったく、自分の迂闊さに対する怒りをどこへ持っていけばいいのか。
「さて、なんのことやら」
 と怪しい奴以外、口にしないような台詞で{惚|とぼ}ける。
 賢治が二本目のビールの缶を開けながら「このあいだ、シャーロック・ホームズの話をしたのを覚えてるか」と訊いてくる。
 「ああ、何となくな」と答えたけど、記憶の隅っこにそのようなものがうっすらとあるような気がしないでもないというレベル。
「酒の席で、誰もが知っている名探偵の魅力を説明しながらミステリの素晴らしさを広めるのが、俺の得意技の一つだ」
 そうだ。独りで調子よくしゃべり続けている姿をふいにはっきりと思い出すことができた。
「女の子達が引いてなかったっけ」
「それも得意技の一つだ」
 思わず笑ってしまう。
「でな、作者のコナン・ドイルが晩年になって心霊現象や妖精なんかを信じるようになったのは嘆かわしいという話になっただろ。なったんだよ。俺が言うんだから間違いない。そのとき、べろんべろんに酔っぱらったお前が俺にしつこくからんだんだ。妖精を見たことがあるのかって。無論ないよと俺が答えると、お前はそりゃそうだろうって人を馬鹿にしたような薄笑いを浮かべた。まあ、俺が適当に取りなして場が盛り下がるのは避けた。というか、既に女の子達は俺の話を聞いていなかったけどな」
「哀れなミステリ伝道師だな」
「酔っ払って人に{絡|から}む奴よりはマシだよ」
 残念だが、その通りか。
「お前の態度にも腹がたったけど、そんなのはいつものことだ。ただ俺はそのときのお前の表情が気になったんだ。もしかしてこいつは見たことがあるんじゃないかってな」
 俺の答えを待つ沈黙。
 知ったことかと思ったが、自分の愚行が招いた事態だ。しょうがないので「妖精なんてどこにも存在しません。従って見ることができません。証明終わり」と名探偵よろしく自信ありげに言ってみるも、奴は全然納得していない様子。俺に探偵としての素質はないらしい。
「そもそも、大学生にもなったいい大人が、どうしてそんなものを見たいなんて言い出すんだ?」
 と話の切り口を少し変える。奴はうーんと唸って腕を組み、ゆっくりと「そうだなあ」と言いながら天井を見る。俺はその視線を追った。
「なんかさあ、俺は昔から違う場所にいるような気がしてたんだ。本来いなければならないところはここじゃない。少なくともこの時代のこの場所じゃないような気がするんだ」
 思い詰めたようなその表情を見ていると「お前、もしかして馬鹿じゃねえの」と正直な感想もぶつけたくなるというもの。奴は肩をすくめた。
「そうなんだ。馬鹿馬鹿しいことなんだよ。こんな思いを抱くのもそれほど珍しいことじゃないんだろうな。だから繊細な若者にありがちな気の迷いと思ってもらって結構。それはそれでいいんだ。若いってことも繊細ってことも否定はしない」
「愚かってことも追加な。できれば額に書いておくといい。忘れないようにな」
「現実を受け止めてその中をたくましく歩いていく覚悟はできているつもりだ。ただな、どうしても考えてしまうんだ。なにか別の世界があって、そこに属している人達がいるんじゃないかと。俺は違ったとしても、俺の知らない材料でできた景色を見ている人達がいるんじゃないだろうかと。それが知りたい」
「知ってどうするんだ?」
「いや、それはわかんないけど」
 まあ、したり顔で何か言ったらぶっ飛ばしていたかもしれない。腕力に自信はないが。
 
 俺達はアパートを出て歩き始めた。「どこへ行くんだよ」という質問は黙殺。風は柔らかく日射しは穏やか。公園で子供が遊んでいる。ブランコの横で若い母親達がなにか楽しそうに話している。長閑な土曜日だ。
 公園の{側|そば}に団地がある。五階建ての細長い棟が延々と続く。建物の間を歩いていると賢治が「こういうところって、なんか異質な感じがするよな。自分が招かれざる存在になったみたいだ」と呟く。そんなふうに思ったことがなかったのは俺が団地育ちだからか。こんなきれいな場所ではなかったが、同じ建物が並ぶ景色には安心を覚える。そこから離れて暮らすようになったときに感じた違和感や寂しさを思い出した。
 もうずっと前のことだ。
 敷地の奥で細い川にぶつかる。くたびれた緑色のフェンスが川に沿って延びている。
 泥の匂いに包まれながらしばらく歩いた。賢治は何も言わずについてくる。
 やがて、団地の薄暗い自転車置き場にたどり着いた。
 整然と並ぶ自転車とフェンスの間に、小さな女の子が一人で立っていた。手にした赤いボールを金網の格子にあてがっては「ここからは入れません」などと喋っている。
 俺は少し離れた場所からその少女を指差す。賢治はしばらく見ていたが、首を{捻|ひね}った。
 俺達は団地を離れた。そのまま二十分ほど歩いて駅裏の商店街へ。最近になって近所に大きなスーパーが進出してきたため、すっかり人がいなくなってしまった通りだ。
 ざっと見ても四割ほどはシャッターが閉まったまま。流行らない店を並べて売っているように見えるな、と賢治に言おうかと思ったが、そのおもしろさを説明するのが面倒だったのでやめた。
 古い和菓子屋と文房具屋の間に四十センチほどの隙間があった。しゃべっている声が聞こえたので覗き込むと、五メートルほど先に十歳くらいの男の子が一人で座っていた。薄暗い中「橋はもうすぐ完成します」と小声で言いながら指で壁に何か描いている。こちらに気がつく様子はまったくない。俺達はそれをしばらく見てから商店街を離れた。
 駅の西側には派手な名前の小さなホテルがやたらと密集している場所がある。昼間はほとんど人がいない。夜がどうかは知らない。
 ある建物の裏側で中学生くらいの女の子がゴミ捨て場の低いブロック塀に腰掛けていた。黒い大きなゴミ袋を前にして何をするでもなく虚空を見ている。彼女は一瞬だけ俺達を見たが、表情を変えることもなく、またぼんやりとした表情になった。
 
 一時間ばかりの散歩を終えて俺達は定食屋に入った。必要以上に威勢のいいおっちゃんがやっている学生向けの小さな店だ。
 いつものメニューを注文して、水道直送の水を飲む。
 ついに賢治が口を開いた。
「で、そろそろ答えを教えてくれるのか? 今日のあれはどういう意味なんだ」
 俺は思わず苦笑した。答えを教えろときた。そういえばこの前、謎々を出していたなあ。
「お前、あの三人を見てどう思った?」
「うーん、子供ってのは一人でもなにか遊びを見つけるんだなって思ったよ。子供がぼんやりしているのはそれほど奇異ではないけど、少し大きくなるとそれも許されない。ただの怪しい奴になっちまうからな」
「それだけか」
「なんだよ。他になにかあったのか?」
「妖精が見えなかったか? 」
 そう言うと賢治はたいそう驚いた。予想通りの反応をしてくれるとおもしろい。
「え、どういうことだ。もしかして、あの子達の周りに妖精がいたのか?」
 俺はうなずいた。
 賢治は「そうだったのか」とつぶやいて首を振る。
 やれやれ、俺のこんな話を冗談とも思わないとは恐れ入った。
「ああ、やっぱり俺には見えなかったんだ。残念だが………だったら、お前には見えたんだな」
 その問いに、俺は首を振った。
「いや、俺にもなにも見えなかったよ。あの子達の様子から多分そうだろうな、と思っただけだ。妖精ではなく、妖精が見える人達をお前に見せた」
「なんじゃそりゃ」
 拍子抜けしたような表情になった。しょうがないので解説をしてやる。
「つまり、やっぱり妖精なんていないんだよ。少なくとも俺はそう思っている。ただ、居なくても見えることはある。自分で勝手に作り出すんだ。当人にだけは存在する何かを」
「……それってただの妄想ってことか」
「まあ、平たく言えばそうだ」
 賢治はしばらく考えているふうだった。こんな話で納得してくれるかどうか、ちょっと俺にもわからない。別にどう思われようと構わないが。
「なんでそんなふうになるんだ」
 知ったことかと言いたかったが、今後いろいろと訊ねられるのも面倒だったので、自分の考えていることを話すことにした。
「例えば自分自身の別の人格を作り出すのと同じだと思う」
 奴はまた黙り込んだ。
 そして、訊ねてきた。
「それは、いったいどれぐらいの歪みだろうか」
 その表現はちょっと気に入った。
「立ち上がること歩くこと。言葉を聞くこと、目を閉じること。果ては息をすることも。そういった些細なことが全部だ。少しずつ少しずつ積もってそれを作り出していくんだ。向かう先が闇なのか、あるいは光なのか、俺にはわからない」
「そうか」と賢治が小さく言う。
 ニラレバ定食が運ばれてきた。ここの濃い味付けが俺は大好きだ。
「なあ、そしたらな、もし一人ひとりにそれぞれ自分の妖精がいたとしてな、あの子供達がもし出会っても、お互いに相手の妖精は見えないわけだな」
「そりゃそうだ。ただの思いこみだからな」
「そしたら、やっぱりそれは、そんなものいないってことになるんだな。違う材料でできた世界を見ていても、それは決して他人と共有できないんだ」
「最初に俺が言った通りだろ。いないから見ることはできませんってな」
「じゃあ、もしかして……」
 彼は一瞬俺を見て、そして親指で鼻を掻いて黙り込んだ。{潔|いさぎよ}いなあ。まあ、その先の台詞は結局無意味だしな。察しのいい賢治のことだ。俺の答えだって大体わかっているだろうし、その予想はきっと正しい。俺がこの件についてこれ以上言うことはない。二度と。
 俺達は黙ってニラレバ定食を食べた。
 そもそも、あのコンパの席でこいつがあんなことを言ったのが発端なんだけどなあ。
 目が一つで鼻がなくて鋭い牙を持ってて空を飛ぶもの。
 天井を見上げた。
 それにかなり近いものを俺は知っている。


はい、お届けしたのは赤井五郎で『秘密の友達』でした。
正しくても正しくなくても声の大きなモノだけがはびこって正当性を主張する世の中。
そうではない人にだけ読んでいただきたいと願うオハナシです。

感想を書いていただけるならこのブログか、ツイッターのred56zzz宛てにいただけると嬉しいです。
あるいはこのオハナシが収録されている無料のKindle本『鉄塔の下で その他の短編』のレビューに投稿していただけると飛び上がって270をキメて喜びます。



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というわけで昨日2018年2月19日の自作Kindle有料版ダウンロード数は0冊。無料版は9冊でした。
Kindle Unlimitedの既読ページ数は496ページでした。ありがとうございました。

小説はまたなんかいい場面が書けましたよ。
そろそろ収束させるべきなのではないかと思えてきたので、大したことのない密室トリックだけど、狭い意味で前例はないのではないかというネタをどうやったら最大限の驚きをもって解き明かせるか、あるいは諦めてあっさりとネタばらしをするか、ちょっと考えます。

それでは本日もお疲れ様でした。
お休みなさい。

未消化のネタ
・困ったときには自作小説の紹介
・困ったときには詩のような戯れ言を垂れ流すこと
・困った時には今月の本の雑誌
・『徒然チルドレン』もう一回読んでからとか言っていつ読むのか……
・『蝉時雨のやむ頃』やっぱりすごい。スゴすぎて次が読めん……
・あらためて『エリア51』に手を出しました!


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