2014年10月19日

面白い本の雑誌だから『本の雑誌』

わたしがかれこれ20年近く定期購読している雑誌があります。

それは「本の雑誌」でございます。

本好きの方はきっとご存じでしょう。
作家である椎名誠さんが立ち上げた雑誌。
というか、この雑誌を立ち上げるために原稿を書き、その流れで作家デビューを果たしたというのが椎名さんの作家になるいきさつでございます。

それを作るための会社も立ち上げました。
本の雑誌社
……そのまんま過ぎる。

この雑誌ができあがるまでのストーリーは椎名誠著『本の雑誌 血風録』に詳しいのですが、まあ、この雑誌に思い入れのある人が読むととても面白いです。

本の雑誌というのは、頭からお尻まで「本について」の記事しかない雑誌でございます。
「ダヴィンチみたいなやつ?」
……そうです。そこから「カラー写真・コミック・売れ筋の本・泣ける本! 等の煽り」を外してみると、近いかもしれません。皆が面白いと言う本を勧めるのではなく、個性的な人が勧める一冊にスポットを当てるような作り方です。

かつては『好き勝手に書けなくなるから出版社の広告は入れない』という気概でやっておりました。
最近はさすがにそんなことも言っておれず、各出版社の広告は入っておりますが、それでも独自の道を突き進んでおります。(そんなことをやっているから経営危機にもなりました)

2014年11月号の特集は「リトル・マガジンの秋!」
巻頭ではリトル・マガジンの編集長による座談会が。
それぞれの出されている雑誌が表紙と共に紹介されています。
「屋上野球」(部数2000)
「生活考察」(部数1500-2000)
「仕事文脈」(部数1200)
……一切知らん。
リトル過ぎるだろ!

と、まあ、こんな調子です。
このまま我が道を行って欲しいものです。

そうは言っても、最近になって、わたしは昔ほどこの本をじっくりと読まなくなってしまいました。

それは、例えばこの本を作り上げ、ここまで伸ばしてきた椎名誠さんと目黒考二さんが制作から抜けたこと。
わたしがKindleでしか本を買わなくなったということ。
そんなことが原因だと思います。

それでも、ここで大好きだった本のことを読んでいるのはとても心地よい時間なのです。

本の雑誌は1976年に初めて書店に並んでいます。
初の採用社員は後の群ようこさんという……
この辺りの歴史のおもしろさも、なかなかすごいのです。

一部の本好きにはとても愛されている雑誌でございます。
わたしもおそらくあと10年は購読し続けるかと思います。

Amazonでは取り扱っていないので、関連の下記の本を……
これも紙の本の中古しかないようです。

posted by Red56 at 22:19| Comment(0) | 紙の本のオススメ

2014年05月21日

トマトを名乗る絵師の作品集『concentrato di pomodorosa 』

おお、何年か前にpixivで絵を見て好きになったpomodorosaさんの初イラスト集が通販で入手可能に!

タイトル「concentrato di pomodorosa 」


http://www.keibunsha-bambio.com/shopdetail/000000001870/

フルカラーイラスト/A4変形(167mm × 235mm)/60ページ/2014.5.5発行
税込み1296円+送料本州400円


ずっとtwitterでフォローさせてもらってますが、このニュース見逃してました!

ヘンたてなどの書籍の表紙を描かれているから、そろそろどかーんとブレークしそうな感じです。まあ、もちろん、イラストもキビシイ世界でしょうが。

でも、この画集、やはり待ち望んでいた人が多かったようで、通販の発表した昼にはもうほぼ在庫切れになったそうです。

無事に重版がかかって、気付くのが遅れたわたしでも注文可能に。

いつかpomodorosaさんに自分の小説の表紙を書いてもらうのが密かな目標です。
って、ここに初めて書いてみました! うわー、何故か思った以上に恥ずかしいぞ。

はい、以下のpomodorosaさんのホームページにステキなイラストがたくさんあります。
とりあえず見てみてください。

http://pomodorosa.tumblr.com/
posted by Red56 at 23:15| Comment(0) | 紙の本のオススメ

2014年03月06日

尚月地先生の綺麗な画集『ノスタルヂア』

さて、ちはやふるの紹介ばかりしていたら、本当に訪問者が減ってきました。
ついさっき投稿した記事では強気でしたが、まあ、たまには違う本を。

というわけで、おっさんがとっておきの画集をオススメです。
尚月地先生のこれ。

尚月地イラスト集 ノスタルヂア


はい、Amazonのページへ飛んでいってください。中身のイメージが何点か見れます。あ、ら抜き言葉だってATOKに怒られた。でも『見られます』じゃあ、見られているみたいじゃないですか。

この美しい絵に対して言うことは何もありません。ページを繰る毎にため息をついていりゃいいのです。
こんな絵が描けるようになりたかった……
このように美しい絵が描けるようになるなら見た目がむさ苦しいおっさんになっても構わないとさえ思います。
はっ! すでに見た目がむさ苦しいことに気がついてしまった。

ああっ! なのに全然絵が上手くなってない!
ひどすぎる!

えー、先生はマンガも描いておられるのですが、艶漢(アデカン)シリーズは手を出しにくいのでちょっと……

おお、先生のホームページを見ていたらAmazonで複製原画が売られているとの記述が。
これは欲しい! むー、一種類だけか。これも素敵ですが、何種類かあればなあ……というか、問題は値段(26250円)か。

尚月地 複製原画


3月には東京でサイン会もあるそうです。
posted by Red56 at 23:43| Comment(0) | 紙の本のオススメ

2014年02月13日

『どこかにいってしまったものたち』のどこかへいってしまいたい

はい、本日も紙の本を紹介します。
こだわりの本作り職人であるクラフト・エヴィング商會の初の単行本(1997年)でございます。

どこかへいってしまったものたち


はい、何の本でしょうか。
例えば『月光光線銃』『瞬間永遠接着剤』『全記憶再生装置』などといったものがノスタルジックな雰囲気で紹介されています。
一言で説明すると『美しいあるいは幻想的なドラえもんの道具っぽいものの紹介』でございます。

あ、いいのか、こんな乱暴な紹介で。
写真の多い本です。そこで『かつては実在したけど、いまはその一部や説明書のみが残されている不思議な品』の情報が並んでいるのです。
そのもの自体はありませんが、それが本当にあったという証拠がこれですよ。こんなものもありますよ。
そういった手がかりを並べることで、その機械、装置がどんなすごい奇跡を生み出したことでしょうか、というようなことを妄想するような本。

表紙、紙、写真、説明書のフォント。
はい、妥協を許さず丁寧に作り上げた世界がそこにはあります。
素敵です。
posted by Red56 at 23:40| Comment(0) | 紙の本のオススメ